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教える側の心得11|500社・Udemy受講者2万人の講師が現場で学んだこと

  
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教える側の心得11|500社・Udemy受講者2万人の講師が現場で学んだ...

「ちゃんと説明したのに伝わらない」
「熱心に教えているのに、相手が動かない」

教える立場になったとき、こういう壁に必ずぶつかります。

原因を「相手のやる気がない」「理解力の問題」と片付けてしまいたくなるのですが、500社以上の企業研修に登壇し、Udemy受講者2万人超と向き合ってきた経験から言えるのは、ほとんどの場合、原因は「教える側」にあるということです。

この記事では、現場で痛感してきた「教える側の心得」を11個にまとめました。一般的な「教え方のコツ」とは少し違う、現場の血が通った内容です。耳が痛いものもあると思いますが、それだけ本質に近いと思って読んでください。

心得1|相手が本気で聞く気とは限らないと知る

教える側が最初に持つべき認識は、「相手は必ずしも聞く気があるわけではない」ということです。

特に企業研修では、「会社に来いと言われたから来た」という受講者が一定数います。自分で申し込んだセミナーでも、直前まで仕事で疲弊していたり、別のことが頭にあったりすることはよくある。

「教えたら伝わる」ではなく、「まず聞く気になってもらうことが最初の仕事」という認識で臨むと、場の設計がまったく変わります。

心得2|言葉を発しただけでは伝わらない

「説明した」「伝えた」は、教える側の話です。相手が受け取ったかどうかは別の話。

この当たり前のことを、多くの人が忘れています。話した量と伝わった量は比例しません。むしろ情報量が多いほど、相手の頭に残るものは少なくなることの方が多い。

「伝えること」より「相手に届くこと」を目的に置く。この発想の転換だけで、教え方の設計が変わります。

心得3|大人は素直に聞かない前提で臨む

子どもに教えることと、大人に教えることは根本的に違います。大人はすでに自分の経験と価値観を持っていて、それと合わないと感じた瞬間に心を閉じます。

「素直に聞いてくれない」と感じたとき、相手を責めるより先に「なぜ聞く気になれないのか」を考える方が建設的です。大人が動くのは、納得したときだけ。納得させることが、大人への教え方の核心です。

心得4|同じ内容でも受け取り方は人によって真逆になる

たとえば、場を和ませるための雑談。「楽しかった、わかりやすかった」と喜ぶ人もいれば、「雑談が多くて内容が薄かった」と満足度を下げる人もいます。同じ時間、同じ言葉でも、です。

これは教える側の力量の問題ではなく、受け取る側の価値観の違いです。全員に100点をつけてもらおうとすると、かえって誰にも刺さらない平凡な内容になります。

「誰に届けるか」を決めて、その人に向けて設計する。全員に好かれようとしないことが、結果的に多くの人に刺さる教え方につながります。

心得5|専門用語は専門家同士だけで使うもの

専門用語が出た瞬間、わからない人の脳はそこで止まります。止まった脳はその後の話を聞いていません。

「かみ砕いて説明する」とは、難しい言葉を簡単な言葉に置き換えることではありません。相手の頭に脳が止まるポイントを作らないことです。

研修やセミナーで使う言葉は、「この言葉、全員が知っているか?」と一度自問する習慣をつけるだけで、受講者の理解度が変わります。

心得6|結果ではなく、行動を褒める

「結果を出した人を褒める」は簡単です。でも結果が出ていない人は褒めにくくて、そこで止まってしまう人が多い。

私が意識しているのは、結果が出た人も結果が出ていない人も、行動を褒めることです。

「結果が出てすごいですね」ではなく「すぐ動いたからですよね。行動すると結果が出るんです」と全員の前で言う。これは結果を出した人を褒めながら、同時にその場の全員に「行動することが大事」というメッセージを届けています。

褒め方ひとつで、場全体の空気と次の行動量が変わります。

心得7|教えることを楽しんでいる前提で話す

楽しそうに教えている人から教わりたいか、義務感で教えている人から教わりたいか。答えは明確です。

「教えることが楽しい」というのは、演じることではありません。自分が面白いと思っていることを話すとき、人は自然と前のめりになる。その熱量は確実に相手に伝わります。

逆に言えば、自分が「面白い」と思えない内容を教えるときこそ、その面白さをどう見つけるかが講師の腕の見せ所です。

心得8|失敗を共有する

生成AIが普及して、成功事例は誰でも簡単に作れるようになりました。それっぽいケーススタディも、それらしい実績風の文章も、AIが一瞬で出してくれます。

だからこそ今、価値が上がっているのがリアルな失敗談です。

実際にやってみて、うまくいかなかった経験は、その人にしか語れません。「最初の研修で受講者に完全に無視された」「自信満々で話したら後で全然伝わっていなかったとわかった」——こういう話は、どんなに優秀なAIでも作れない。

リアルさが受講者の「自分もやってみよう」という一歩を引き出します。

心得9|権威を出しすぎない

実績や経歴は、信頼の根拠として大切です。でも出しすぎると逆効果になります。

「500社に登壇してきた私が言うのだから間違いない」というスタンスで話し続けると、受講者は「自分とは違う世界の話だ」と感じ始めます。そうなると、どんなに良い内容でも「自分には関係ない」と受け取られてしまう。

実績は「この人の話を聞く価値がある」と思ってもらうための入口。そこから先は、相手と同じ目線で話すことが大切です。

心得10|準備が100%。本番のアドリブは準備の上にしか成立しない

「場の空気を読んで臨機応変に」という話をすると、準備を省く言い訳にする人が出てきます。でも臨機応変に対応できる人は、例外なく準備を徹底しています。

準備していないのに本番でうまくいくことは、まずありません。

準備とは、スライドを完成させることだけではありません。受講者の事前情報を読む、想定される質問を考えておく、場の温度によって変える部分を決めておく。この下地があって初めて、本番での柔軟な対応が生きてきます。

心得11|常識は変わる。自分も間違っていると知っておく

教える立場にいると、自分の知識や経験に自信を持つことは大切です。でも同時に、「自分が正しいと思っていることが、すでに古くなっているかもしれない」という感覚を手放してはいけません。

常識は毎年変わります。特に今の時代、去年の正解が今年の不正解になることは珍しくない。

正確な情報を届ける準備をしながら、自分も間違えることがあると理解しておく。この両立が、長く信頼される教え手の条件だと思っています。

まとめ|教える側の心得は「相手を知ること」から始まる

11個の心得を並べてみると、根っこにあるのは共通しています。

相手の状況を知り、相手の立場に立って、相手が動ける設計をする。

テクニックを積み上げる前に、この土台があるかどうかで教え方の質はまったく変わります。

「自分はどの心得が一番できていなかったか」を振り返るだけで、次の教え方が変わっていきます。

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